21世紀は環境の世紀

21世紀を迎えた今日、環境問題は必ず解決しなければならない重要な課題です。「循環型経済社会」、これこそが今後、日本の目指す社会の姿であるといえます。
どのようにして「循環型経済社会」を実現するか、この問にひとつの答えを出したのが「エコセメント」です。実際に作っているところを目で見て確かめるため、9月3日、千葉県の市原エコセメント(株)を視察してきました。「エコセメント」は、普通のセメントと同様の成分を含むごみ焼却灰からセメントを作るという、まさに循環型の発想の下で作られる製品なのです。

エコセメント視察


市原エコセメント視察概要

○ 市原エコセメント株式会社より、資料(別添)に基づき概要説明後、質疑。

・エコセメントと(通常の)セメントの品質比較
(1)原料の特徴
   エコセメント:焼却灰等が原料の5割を占める
  (通常の)セメント:高炉スラグ等を原料の3割を占める

(2)性能
   強度、耐久性とも(通常の)セメントとほぼ同等。旧建設省の検討委員会で安全性について評価してもらった。この建物も実証実験で製造したエコセメントを活用している。H14秋にはJISを取得する予定(個別の評定はいらなくなる)。

・(通常の)セメントとのコスト比較
 (通常の)セメントは9千円弱/tぐらい。一般のユーザーに対しては、同じ料金でなければ売れないので、差額のコストを、地方自治体からの委託費(1〜3年度:34,800円、4年度以降:38,800円)で埋める形になっている。エコセメントの製造については、重金属類の回収、ダイオキシンの処理等コストがかかる。廃棄物処分場が残余年数が少なくなる中で、廃棄物を処理できること、重金属等の回収やダイオキシン等の処理等環境に配慮した取り組みを行っているので、単純にコストで比べてほしくない。

・コスト削減の取り組み
 A重油の代わりに廃プラを使う検討を行っている。また、多様な薬剤を使用しているが、こうした薬剤の調達コストを下げることも検討している。

・施設の建設費等
 建設費135億円。このうち補助対象事業費が126億円で国の補助金が58億円(補助率1/2)入っている。県からも1億円補助が入っており、合計59億円が補助金。会社としては、70億円投資しており、21年で回収する予定。
  施設の規模は300t/日。(通常の)セメントのプラントは4,000〜8,000t/日ぐらいの規模なので、エコセメントの施設は通常の1/20〜1/30ぐらいの規模に相当。

・エコセメントの販売
 4月から操業を開始しており、母体が太平洋セメントということもあるので、販売の方は順調であり、コンクリートメーカー等に買ってもらっている(太平洋セメントが品質保証を行っている。)。JIS取得(H14秋予定)すれば、普及しやすくなるだろう。また、グリーン購入法の環境物品の指定をお願いしているところであり、検討委員会でも、指定の対象としてノミネートされているところ。

・稼動状況
 一般廃棄物については、18自治体から、産業廃棄物については20社から焼却灰等の提供を受けているが、現在、稼働率は6割程度。今は、焼却灰が溜まるまで、運転を停止している状況であり、稼働率を上げることが課題。

・その他
 現在、日本で唯一の施設であり、その他地域の取り組みとしては、東京の三多摩地区の一部事務組合が建設を予定しており、H14〜H15に着工、H16〜H17稼動予定と聞いている。

                                   以上